高等研掲載資料より抜粋
電子素子の微細化、高集積化技術の進歩はめざましくユビキタス社会の発展を支えている。一方で、素子の微細化に伴う誤動作の確率の増加や素子作製に必要な設備および素子そのものの消費電力が増大するといった問題が顕在化しており、高度情報化社会を引き続き発展させるためには早急に解決する必要がある。単一分子を構成要素とする分子エレクトロニクスの実現は、量子性の活用により、電気を流すエレクトロニクスからの脱却を可能とし、さらには誤動作を自己修復したり、誤動作そのものを利用する新しい情報処理素子の創出が期待できる。分子設計・合成技術、計測技術、理論の進展により、単一分子の電気伝導度をようやく定量的に議論できるようになりつつあるが、それでもなお現象の正しい理解はきわめて困難である。本プロジェクトでは、分子エレクトロニクスの創成に熱意をもって取り組む研究者を中心に、スピントロニクスやフォトニクス、クォントロニクスの分野において第一線で活躍する研究者が自由にかつ積極的に行き来するハブ機能を持つ組織を構築し、現状の詳しい分析に基づいたロードマップの導出を行うことを目的とする。